災害時の対応について在日米軍と地元市町村が結んだ協定や覚書の内容に、沖縄と本土で大きな違いがあることが10日までに沖縄タイムスの調べで分かった。県内3市町との協定は原則、住民が避難路として基地内を通ることしか認めていない上、米国側は経費を負担しないと明記。一方、本土6市との協定は救急搬送や医療、食料、医薬品、避難所の提供など多岐を定め、経費は米軍が負担するとしている。(新里健、矢島大輔)

 米軍に協力的な本土と、土地強奪や米兵による事件・事故多発のために反基地感情が強い沖縄で、米軍の対応が異なっている。

 県内で米軍基地を抱える16市町村のうち、協定を結んだのは北谷町、宜野湾市、浦添市。海沿いの住民が高台へ逃げる際や避難訓練時に地元の嘉手納基地、キャンプ瑞慶覧、普天間飛行場、キャンプ・キンザーの臨時通行を認めている。北谷町と米海兵隊の協定では負傷者への医療も定めた。どの協定も「合衆国は立ち入りに関するいかなる経費も負担しない」とする。

 本土で主な米軍基地のある15市町のうち、覚書を交わしているのは神奈川県横須賀市(海軍施設)、綾瀬市(厚木飛行場)、大和市(同)、相模原市(キャンプ座間)、座間市(同)、東京都福生市(横田基地)。

 神奈川県内5市との覚書には「災害救援活動には搬送、食料、衣服、医薬品、寝具、避難所・仮設住宅、緊急医療の提供などが含まれる」と明記。福生市との覚書には消火、救命、がれき撤去、支援団体の受け入れなどを列挙している。

 経費については、どの覚書も「救援活動を実施する側が負担する」と記し、米軍が支払うとしている。

 防災に詳しい沖縄国際大学の稲垣暁・特別研究員は「沖縄では基地の存在が防災上も障壁になり、避難路の確保などが地域の重大な課題になっている。対策を取る前提として基地内の状況の把握が不可欠。米軍に情報公開を強く求めることが減災の一歩になる」と話す。