10日から愛鳥週間が始まった。やんばるの森では国の特別天然記念物ノグチゲラが子育てシーズンを迎えている。東村高江の森で営巣するつがいの様子を観察した

▼イタジイの木の巣穴に雄と雌の親鳥が交互に餌を運ぶ。気配を感じた2羽のひなが待ちかねたように大きな鳴き声で出迎える。幸せな家族の風景だ

▼ひなが育つにつれ、餌を与える間隔が長くなった。親鳥が巣から少し離れた場所で待つことも増える。巣立ちを促しているのだろう

▼巣穴から首を出したひなは不安と好奇心が入り交じった様子で辺りを見回す。その姿を見守る親鳥。人間の親と同じで、早く一人前に育ってほしい半面、もう少し一緒に暮らしていたい、そんな複雑な心境なのだろうか。想像をめぐらし、ほほ笑ましい気分になった

▼自然保護団体「山原の自然を歩む会」の玉城長正代表は近年の“住宅難”を心配する。「営巣に最適なイタジイの枯れ木が森林伐採で激減し、ハンノキやリュウキュウマツに巣作りするつがいも目立つ」。巣の中が十分な温度に保たれず、ひなが死ぬ例もあるという。高江の森では米軍ヘリパッド建設が進められ、生息環境は悪化の一途をたどる

▼英語名オキナワ・ウッドペッカー。世界でもやんばるの限られた地域に数百羽しかいない。私たちの時代で絶滅させてはならない。(田嶋正雄)