米軍普天間飛行場の名護市辺野古への移設をめぐり、沖縄防衛局は12日、名護市に許可申請を提出していた辺野古漁港の使用について、漁港漁場整備法を根拠に「許可は必要なく、協議で足りる」との認識を示した。さらに申請文書を出した時点で「協議は始まっている」と強調した。沖縄タイムスの取材に答えた。一方、名護市は12日までに申請に回答せず「申請書の形式を満たしていないため、協議どころか、内容審査に入れない状況」と批判している。

 市は移設に伴う許可や協議など申請6項目のうち5項目で、防衛局が設定した回答期限の12日までに回答しなかった。防衛局は期限を撤回する考えがなく「法に従い、適正に処理していく」と今後の方針を示した。

 防衛局は移設工事の際のブロック製作や資材置き場とする目的で、辺野古漁港の使用許可を市漁港管理条例に基づき、4月11日に申請。市は申請書に不備があるとして、いったん取り下げ、補正した上で再提出するよう求めている。

 防衛局は、漁港漁場整備法で「国の申請の場合、協議で足りる」と定めていることを根拠に「許可は必要ない」という立場。条例に基づき申請書を出したのは「協議のスタート」と位置付けており、文書のやりとりで「協議は成り立つ」と市の許可がなくても、漁港使用は可能とみている。

 一方、名護市長の権限を法的に助言する懇話会の弁護士は「法に基づく協議と市条例に基づく許可の両方が必要」との見解だ。市条例に照らせば、漁港を資材置き場にすることは目的外使用に当たり違反しており、不許可とすることができると説明する。

 政府が移設の本体工事を来春の予定から今秋に前倒しする方向で検討していることが11日の報道で明らかになったこともあり、稲嶺進名護市長は「国の機関が文書の体もなさない申請を出し、工事だけ進めるのはとても信じられない」と強調。漁港使用には「ほかを探すのか、無視して強行で使うのか、想定できない」と危機感を示した。