那覇市が待機児童対策に向けて、2014年度中に現在認めていない株式会社の認可保育所への参入を検討していることが14日、分かった。市内の待機児童数は昨年10月時点で706人。市は潜在的児童も含めると約1700人に上ると想定しており、新規参入に門戸を開くことで需要に対応する方針だ。一方で、既存の認可保育所や関係者からは「保育の質が保てない」などの不安の声も出ている。(吉川毅)

 市は現在、月1回の園長会などで株式会社参入について説明している。本年度中に、国の基準などに沿った審査基準作りに着手。参入を希望する株式会社を対象に財務状態や経営実態を把握する。18年度までに認可保育所を16施設増やし、入所定員は計約2千人増やすことを目標にしている。本年度中にも株式会社の参入を目指す。

 市の待機児童数は昨年4月時点で人口10万人当たり135・8人。全国平均の12・5人を上回り全国42中核市で最も多く、深刻な課題となっている。

 市はこれまで認可保育所の設置を社会福祉法人などに限って認め、待機児童対策として認可外保育施設の認可化を進めてきた。さらに、既存保育所の分園、老朽化している保育所の建て替えに伴う定員増、小規模の保育事業などを展開しているが、「待機児童ゼロ」には早期の株式会社の参入が必要と判断した。

 12年に成立した「子ども・子育て支援関連3法」によって、15年には株式会社の参入がしやすくなるが、那覇市はその前に対応することになる。

 一方、株式会社参入については、利益追求に伴う安易な撤退や保育の質の低下などを危惧する声もある。

 琉球大学教育学部の吉葉研司准教授(幼児教育学・保育学)は「国や自治体は児童福祉法に基づき、保育の公的役割を果たさなくてはいけない。子どもたちが心身ともに健やかに育成する権利がサービスに移ることで、保育の質の低下があってはいけない」と指摘。

 今後、株式会社参入が全県的な流れになることを危惧した上で「自治体の審査基準の設定の在り方が問われる。市民の意見を十分に聞き、ニーズを反映させた審査基準を設定できるかが重要だ」とした。