「沖縄の犠牲の上にあなたの生活がある。平和とは何ですか」。那覇市の知念優幸さん(22)は、本土の人々に問い掛ける旅に出た。復帰から42年の5月15日は、米軍基地のない岡山県にいる。

米軍普天間飛行場の写真を見せながら講演する知念優幸さん=13日、岡山市(本人提供)

 沖縄キリスト教学院大学を休学し、3月に鹿児島からスタートした。自分の軽自動車を運転し、1年間かけて本土をくまなく回る計画だ。出会った人のつてをたどり、大学の講義や市民団体の集会で講演する。1カ月余りで、およそ千人に会った。

 講演では、最初と最後に「あなたにとって平和とは何ですか」と聞く。沖縄戦、米軍支配、復帰、今も続く基地被害を語る。「日本人が基地を押し付け、容認することで犠牲は増え続けている。それを知った上で同じ生活をするなら、沖縄の人の命と尊厳を踏みにじっていると考えてください」

 「加害者」という言葉を使うこともある。泣きながら聞く人、「今まで平和に生きてきた。これからどうすればいいか分からない」と戸惑う人。「沖縄に基地は必要だ」と主張する人とも、粘り強く対話している。

 学生グループ「チーム琉球」を立ち上げ、平和ガイドや本土学生と交流するうちに、沖縄の歴史と現状があまりにも知られていないことに驚いた。「1人の学生が政治や教育を変えることは難しくても、沖縄の痛みとともに歩む人を増やすことはできる」と旅を思い立った。

 費用は主にカンパ。キリスト教徒ではないが、大学の縁で各地の教会などを泊まり歩いている。「大好きな沖縄を守るため。たくさんの出会いがあり、自分の勉強にもなっている」と話した。(阿部岳)

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 大学の沖縄キリスト教平和研究所は、知念さんの旅を支えるカンパを募っている。問い合わせは電話098(946)1279。