県教育委員会(宮城奈々委員長)は、県の有形文化財に久米島町の工芸(染織資料)「苧麻(ちょま)紺地(こんじ)鶴(つる)に波頭(なみがしら)文様(もんよう)紅型幕(びんがたまく)」、絵画「紙本着色(しほんちゃくしょく)喜久村(きくむら)絜聡(けいそう)(片目地頭代(かたみじとぅーでー))像(ぞう)」の2件を16日付で指定した。染織資料は初の指定。絵画は3年ぶり11件目。

「苧麻紺地鶴に波頭文様紅型幕」(県教育庁文化財課提供)

「紙本着色喜久村絜聡(片目地頭代)像」(県教育庁文化財課提供)

「苧麻紺地鶴に波頭文様紅型幕」(県教育庁文化財課提供) 「紙本着色喜久村絜聡(片目地頭代)像」(県教育庁文化財課提供)

 県指定無形文化財の「八重山上布」保持者に、平良蓉子さん(80)、糸数江美子さん(59)、松竹喜生子さん(56)を新たに追加認定した。

 「苧麻紺地鶴に波頭文様紅型幕」には、久米島の地頭代(行政官)を務めた喜久村聡が1757年に琉球王府から授与された布で制作したことが手書きで記され、年代が分かる最古の紅型幕。琉球王国時代の紅型に年代を記したものは他になく、紅型技法や、他の紅型作品の年代を探る上で重要な資料と評価された。

 現在も用いられる「型染め」の技法と、筒からのりを絞り出して生地に模様を描く「筒描(つつび)き」の技法が併用されている。

 「紙本着色喜久村聡(片目地頭代)像」は、片目地頭代として住民に慕われた喜久村聡の肖像画。59年に喜久村が首里に滞在した際、絵師が描いたものとみられる。

 久米島町の比嘉隆久教育長は「貴重な町文化財の価値が認められてうれしい。教育活動にも活用したい」と喜びを語った。

 「八重山上布」は、王国時代に税として納めるご用布として発達。保持者に追加認定された3氏は、上布の制作や技術の普及に長年携わってきた。今回の認定で保持者は計12人となる。