【東京】米軍普天間飛行場の名護市辺野古への移設に向けた海上での作業について、防衛省の辰己昌良報道官は16日の記者会見で「安全確保に万全を期すため適切な箇所にブイの設置などの対策を講ずる」と述べた。工事区域を明確にし、今後実施される海底ボーリング調査など海上での作業を円滑に進めることがブイ設置の目的と説明している。しかし、ブイを越えて提供水域に侵入した場合、刑事特別法(刑特法)に基づいて摘発される可能性が出てくるため、反対派の動きを抑えることも狙いとみられる。

 防衛省は設置箇所や時期について明らかにしていないが、辺野古沖の21カ所を掘削するボーリング調査で、掘削地点を中心に設置されるとみられる。

 反対派への対応について辰己氏は「抗議活動排除のための障害物の設置を検討している事実はない」と明言。2004年の前回のボーリング調査ではカヌーなどで海上に出た反対派ともみ合いになり、中止に追い込まれた経緯がある。このため政府はすでに、反対派の対策を検討しており、提供水域に侵入した場合の刑特法の適用も選択肢として基準を検討している。

 ただ、ブイ設置箇所が「常時立ち入り禁止」の提供水域より外の場合、ブイの内側への侵入によって即座に刑特法が適用されるとは限らない。

 ブイ設置について、防衛省は「工事区域を示し、誤って船などが入らないようにするため」と強調するが、目印がない海上での線引きとして反対行動の抑止も兼ねた設置が狙いとみられる。

「反発強めるだけ」稲嶺名護市長

 訪米中の稲嶺進名護市長は「市がどうのこうの言う立場にはないが、むしろ反発を強めるだけで逆効果ではないか。あんな広い場所をどうやってガードできるのか」と述べ、政府の対応を疑問視した。