民放労連主催の「平和と憲法を考えるフォーラム」が16日、那覇市内で開かれた。安倍晋三首相が意欲を示した憲法解釈変更による集団的自衛権の行使容認を、琉球大学の高良鉄美教授(60)=憲法学、ジャーナリストの屋良朝博さん(51)、八重山郷土史家の大田静男さん(65)が批判。「平和憲法のDNAを変えてしまう」「テレビゲームみたいな安保ごっこだ」と訴えた。

安倍政権による集団的自衛権の行使容認や、憲法解釈変更へ向けた動きを批判する(右から)屋良さん、大田さん、高良さん=16日、那覇市松尾のホテル

 高良教授は「集団的自衛権が行使されれば、自衛や防衛を通り越し、他国への攻撃を認めて戦争がしやすくなる」と警戒した。憲法解釈変更という手法も「解釈は裁判所の仕事。政治がやるべきではない」とくぎを刺し、政府が行使容認を目指す背景に「日本で生産した兵器をもっと消費しようという産業側の狙いがあるのでは」と分析した。

 屋良さんは、米軍が戦艦で日本人を助ける事例を強調した首相会見を「安く飛行機に乗れる時代に、船で助けに行くなんてあり得ない。米国を攻める度胸のある国はなく現実離れしている」と一蹴。「米国は中国と安保交流を進めている。尖閣問題では『誰も住まない岩をめぐってばかげた撃ち合いをしないでくれ』というのが本音」と語った。

 大田さんは、政府が集団的自衛権の行使容認後に目指す日米防衛協力の強化に触れ「首相は、米国との真のパートナーシップが血を流すことだと思い込んでいる。人の命をどう考えているのか」と危ぶみ、「改憲の下準備はすでにできている。政府は沖縄を内から外からたたいて平和思想を壊し、基地を確保しようとしている」と語気を強めた。

 フォーラムには全国の民放で働く約60人が参加し、真剣な表情で聞き入った。