ことしに入り、米軍機による部品落下などの事故が相次いでいる。いずれも一歩誤れば、重大な事故につながるものである。復帰42年たっても、沖縄ではいまだに憲法で保障された平和的生存権が脅かされているのである。

 米空軍は16日、嘉手納基地所属のF15戦闘機のエンジンを構成する金属製の部品の一部がなくなったと発表した。15日の訓練中に脱落したとみられている。部品は縦4・5センチ、横4センチ、重さ17グラムで、30枚あるうちの一枚という。本島の南東海上の訓練空域で訓練後、点検で部品がなくなっていることが判明した。米軍は「目に見えないほどの亀裂があった」としている。

 原因や落下地点は不明で被害情報はないというが、航空機の心臓部ともいえるエンジンの部品である。重大事故につながる可能性があったのではないか。F15は機体の老朽化が指摘されている。原因究明とともに同型機の飛行を停止し、全面点検するべきだ。

 嘉手納基地所属のF15戦闘機は3月4日、訓練中に重さ約150キロの風防ガラスを海上に落下させている。F15は過去にも3度の風防ガラス落下事故を起こしているが、原因は報告されていない。

 3月の事故で米軍は「安全確認を行った」とし、事故から6日後に訓練を再開した。ところが米軍の言う「安全」は、とうてい納得できるものではない。現に訓練再開直後にF15が嘉手納基地に着陸し、緊急車両が出動するトラブルが2日連続してあった。「安全確保」とは米軍側の論理でしかないのである。

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 部品落下はこれだけではない。4月24日、嘉手納基地所属のHH60救難ヘリが、うるま市上空を飛行中、通風孔の部品(重さ約36グラム)を落下させた。政府は、事故発生翌日に情報を把握していたにもかかわらず、地元への通報は、発生から5日後だった。防衛省は「情報が不確かだった」と説明するが、事故を過小評価したのではないか。基地を提供している政府は、住民の安全を守る義務を負っている。通知の遅れは許されない。

 伊江村ではパラシュート降下訓練のミスが相次いでいる。同村では4月17日、米軍の物資投下訓練で重さ200キロのドラム缶4本が伊江島補助飛行場から1・8キロ離れた地点に落下する事故が起きた。大惨事を引き起こしかねない事故だが、米軍は一方的に物資投下訓練の再開を今月15日、沖縄防衛局に通知した。住民を危険にさらす訓練は、ただちに中止すべきだ。

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 なぜこのような事故が続くのか。「砂漠でやるような訓練を集落が隣接する沖縄でやること自体がおかしい」との指摘があるように、狭い沖縄での軍事訓練は、限界なのである。復帰後、昨年までに県内で発生した米軍航空機関連の事故は594件に上る。

 元米国防次官補代理のモートン・ハルペリン氏は、1966年に米海軍大尉が「沖縄に基地があるのではなく、沖縄そのものが軍事基地だ」と語ったことに驚いたという。その状況は、いまだに続いているとしか言いようがない。