【東京】南西地域の防衛強化を掲げる政府は、陸上自衛隊の初動を担う警備部隊の配備地の一つを、奄美大島(鹿児島県)とすることで調整を始めた。最終的な配備先は複数となる見通しで、石垣島、宮古島も有力候補地として、防衛省が具体的な配備地の選定作業を進めている。

 奄美大島は瀬戸内町が自衛隊配備を要望しており、政府は21日に武田良太防衛副大臣を奄美に派遣し、地元と意見交換する方針だ。

 部隊配備は、昨年12月に閣議決定した2018年度中期防衛力整備計画(中期防)で警備部隊の新編と南西地域への配備が盛り込まれた。

 18年度をめどにした部隊配備は、長崎県の対馬警備隊(約350人)を参考に構成される予定で、配備人数は島によって上積みされる可能性もある。

 部隊は武装集団による離島への上陸といった事態への初動を担い、大規模災害の際に迅速に復旧活動に当たることも期待されている。

 防衛省は13年度事業として先島諸島と奄美群島の有人島を中心にした調査を委託し、報告書を受け取っているが、小野寺五典防衛相は4月、「検討段階で具体的な候補地について言及することは、地元で無用な混乱を招くおそれがあり、差し控える」と述べるなど、詳細は明らかにしてない。

 防衛省は14年度予算で関連調査費として6千万円を計上し、13年度の候補地選定調査を踏まえて、概略の施設配置図や行程表の作成、概算工事費の推算をする予定。

「決定事実ない」菅官房長官

 【東京】菅義偉官房長官は19日の記者会見で、奄美大島、宮古島、石垣島を想定した陸上自衛隊初動担任部隊の配備計画に関する全国紙の一部報道について、政府として調査中とした上で「現時点において、報道にあるような特定の具体的地名、島が決定されたという事実はない」と説明した。

 2月に、同部隊配備についての琉球新報の報道を受けて、防衛省が同社と日本新聞協会に抗議したことを踏まえ、今回の報道に何らかの抗議をするかについては「前回は選挙の直前に、全く調査も何もしていないところに自衛隊が駐留するような報道だった。それはあまりにもひど過ぎた」と、今回の報道内容は中期防衛力整備計画(中期防)などで示された範囲内との認識を強調。

 前回の新聞協会への対応が行き過ぎだったのではないかとの指摘に対し「全く当たらないと思う」と否定した。