沖縄三越(那覇市)の杉山潤治社長は19日、同社で記者会見し、那覇市牧志の国際通りにある百貨店、沖縄三越本店を9月21日をもって閉店すると正式に発表した。本店をはじめ、空港売店、豊崎マイキッチン、JALコーチショップの各事業は、百貨店運営のリウボウインダストリー(那覇市、糸数剛一社長)が引き継ぎ、営業を続ける。9月末で三越の商号や商標使用の期限が切れることから「沖縄三越としての事業継続を断念する」と表明。那覇市の中心地で創業57年の老舗百貨店を経営してきた「沖縄三越」は事実上の廃業となる。

会見で記者の質問に答える沖縄三越の杉山潤治社長(左)と外間寛専務=19日午後、那覇市牧志・沖縄三越

会見のポイント

会見で記者の質問に答える沖縄三越の杉山潤治社長(左)と外間寛専務=19日午後、那覇市牧志・沖縄三越 会見のポイント

 同日の取締役会で閉店の方針などを決定した。会見で杉山社長は「2003年の私的整理後、企業再生に取り組んできたが、業績は回復しなかった。経済、競争環境の変化に対応した、有効な施策を講じることができなかった」と述べた。

 04年からの再生計画後も売上高は低迷が続き、10月以降「三越」の商標が使用できなくなれば「収支はさらに悪化すると予想される」と述べ、事業継続を断念するに至った経緯を説明した。

 本館跡はリウボウが一部改装して、観光客や家族、若者をターゲットにしたエンターテインメント施設を来春にもオープンさせる計画で、テナントとの交渉を進めている。

 本店の従業員140人(正社員58人、有期雇用社員82人)については一部解雇の可能性を示し、19日の営業終了後、従業員に方針を説明。社内に「再就職支援室」を立ち上げ、リウボウグループのほか、行政とも連携し、県内外の企業に受け入れ協力を求める方針を示した。雇用関係がないコーチショップを除き、空港売店、豊崎マイキッチンの従業員(正社員5人、有期雇用社員25人)は継続雇用される見通し。

 沖縄三越友の会の入金、入会受け付けは19日付で終了。積立金は100%保証し、同日時点の積立金に法定利率の6%を加えて返金する。買い物券は閉店の9月21日まで沖縄三越、全国の三越各店、デパートリウボウで利用できる。

 「沖縄三越」としての事業継続は断念するとしたものの、負債総額などは明らかにしなかった。一方で、杉山社長は新たな企業再生に取り組むとも強調。ただ、企業再生スキームは現時点で確定していないとし「決定次第、速やかに発表する」と述べた。