国立劇場おきなわで22~25日に再演される坂東玉三郎主演の新作組踊「聞得大君誕生」公演で、創作舞踊「蓬莱島」が初披露される。沖縄に伝わるニライカナイ伝説と古典音楽、古典舞踊をもとにした舞踊劇仕立ての作品で、玉三郎が構成・演出を手掛け、沖縄の若手実演家と共同作業を続けている。振り付けの阿嘉修、音楽の花城英樹に見どころ、聞きどころを聞いた。(真栄里泰球)

「稽古での会話でアイデアが膨らむ」と話す振り付けの阿嘉修

音楽を担当する花城英樹=浦添市・国立劇場おきなわ

「稽古での会話でアイデアが膨らむ」と話す振り付けの阿嘉修 音楽を担当する花城英樹=浦添市・国立劇場おきなわ

 昨年の「聞得大君誕生」(大城立裕作)公演の際、楽屋話がきっかけで誕生したという。玉三郎の発想に、振り付けの阿嘉と新垣悟、音楽の花城、国立劇場おきなわの嘉数道彦芸術監督が構想を膨らませていった。

 自然豊かで平和な蓬莱島を大蛇が襲い、島の生き物は息絶えてしまう。蜂の精から話を聞いたニライカナイの神が島を救うというストーリー。

 阿嘉は「玉三郎さんが琉舞の持っている材料を、いろいろ調理して盛り合わせるのが楽しみ。自分たちの固定観念にない発想があるので本当に勉強になる」。花城も「音楽面でも発した音が、どういう効果をあげるのかなど大きな話をする」と話す。

 2人が驚くのは、作品の後半で演奏される「柳節」の上句と下句の間に「揚作田節」と「伊集早作田節」を挟み込む構成だ。

 花城は「反発もあるかもしれないが、成立している。沖縄の人では出てこないアイデアだ」。阿嘉も「『柳』の踊りも曲も好きだと聞いている。古典をむやみに触らないで組み合わせで見せる。古典に戻る手法は面白い」

 「伊集早作田節」で蜂の精と伊集の花の踊りなどは阿嘉の振り付け。「日舞はあちらが専門だから、琉舞の手にこだわった。自分にどれだけ引き出しがあるか勝負だと思う」と工夫を重ねる。

 花城もニライカナイの神の登場曲を作ったり、「遊び子持節」に編曲を加えたりしている。一方で「こちらの考えも納得してもらえるようにしないと」と四つに組んだ創作が稽古場で続いている。

 初日が迫り、阿嘉は「全体の流れを見てほしい」、花城も「予想を超えるものにしたい」と練り上げに力が入る。