南西地域産業活性化センター(石嶺伝一郎会長)は20日、調査報告書「沖縄県の就業構造と失業に関する調査研究」を公表した。県人口が増加を続け、観光や情報通信などの産業振興、高齢化社会を背景に医療・福祉分野などで労働需要が堅調に推移し、雇用のミスマッチ対策も奏功すれば「県内失業率は基調として、改善傾向を続ける」との見通しを示した。

完全失業率の推移

 一方、全国的には人口減少で労働力不足が深刻になり、県外に労働力が流出する可能性も指摘。人材育成など政策的取り組みを拡充し、生産性や県民所得を向上させる必要性を説いている。

 県内の労働力人口は本土復帰から約40年で1・83倍の68万2千人(2013年)。就業者数は観光関連や建設業、IT、医療・福祉分野を中心に1・79倍の64万2千人となった。ただ、労働力人口の増加が就業者の伸びを上回り、失業率は全国よりも高水準で推移してきた。

 2000年代は雇用のミスマッチなど「構造的な失業が大きなウエートを占めるようになった」と指摘。非正規社員の割合も、全国で最も高い約4割で「所得が低い要因にもなっている」としている。

 13年の雇用情勢は景気回復や沖縄振興策などを背景に、新規求人数、求人倍率も改善の動きがみられたとする一方で、課題に(1)若年者の高失業率の改善(2)雇用ミスマッチなど構造的失業の解消(3)非正規就業者の増加-を挙げた。

 若年者の定着率を高めるため、労働条件や職場環境改善の必要性を提起。ミスマッチ解消に向けて求職者の職業能力の向上と対策、非正規雇用に比べ処遇改善につながるとして「限定正社員」などの雇用形態を例示し「量」から「質」への転換を強調している。

 今後は県内でも労働力人口の減少局面に入る見通しを示し、県経済の持続的成長を維持するための取り組みとして「若年者や女性、高齢者の労働市場への参入を促し、就業者に占める割合が高い非正規雇用者向けの職業訓練などを拡充していく必要がある」などと述べている。

 報告書に関する問い合わせは同センター、電話098(866)4591。