県内37の漁業協同組合の2012年度決算(合算値)で、最終損益を示す当期剰余金の合計額が約2億1千万円のプラスに転じ、2008年度以来4期ぶりの単年度黒字となったことが21日、県漁協組織強化推進協議会(会長・國吉眞孝県漁業協同組合連合会長)のまとめで分かった。モズクなどの加工販売事業が前年度比35・8%増と好調に推移、収益全体を押し上げた。(粟国祥輔)

赤字組合増 効率化に課題

 ただ、赤字組合は前年度より2組合増えて13組合。合算値でも事業の経費が利益を上回っている。赤字分を漁業補償などの事業外収入でカバーする高コスト体質は続いており、依然、事業運営の効率化や経営基盤の強化が求められている。

 各漁協からのヒアリングや決算書を基に報告書「漁業協同組合の現況」にまとめた。

 主要5事業の売上高は共済事業が約444億6千万円で横ばい。購買事業は燃料費高騰に伴う出漁減などの影響で0・4%減の約33億4千万円。漁協を通して鮮魚などを売る販売事業は1・6%減の約95億2千万円、加工業者向け買い取り販売が15%増えた。

 製氷・冷凍・冷蔵・加工事業は約27億1千万円。餌代の高騰や好調なモズク加工販売を反映し17・2%増え、自営業(養殖)は5・1%減の約5億8千万円だった。

 販売経費を差し引いた事業総利益は約13億6千万円で10%増。加工事業はモズクの単価が回復し、35・8%増の約2億5千万円となり、全9事業に占める構成比も18・4%で前年度から3・5ポイント増えた。

 販売経費以外の事業管理費は3・2%増の約18億9千万円。事業総利益を約5億3千万円上回り、管理費の約6割を職員の人件費(約11億2千万円)が占め、業務効率化や不採算事業の見直しが急務。一方、米軍への訓練水域提供に伴う国からの漁業補償などの事業外収益が6・1%増の約23億円。事業の損失分を補い、最終的に約2億1千万円の黒字になった。

 ただ、累積赤字に当たる当期未処分剰余金は約19億9千万円で、1組合平均の赤字額は約5400万円。県漁連の担当者は「事業規模に合わせた柔軟な事業運営、経営の効率化が課題だ」と話した。