【東京】沖縄県出身のカメラマン、石川文洋さんがベトナム戦争と戦後のベトナムを撮った写真展「戦争と平和・ベトナムの50年」が21日、都内の銀座ニコンサロンで始まった。石川さんが戦火のベトナムの地を踏んで50年になるのを記念した企画。戦闘や肉親を亡くし悲痛な表情を見せるベトナム人、枯れ葉剤被害など戦禍に苦しむ庶民など、約60点を展示している。石川さんは「どの戦争でも民間人が犠牲になる。戦争がどういうものか見てほしい」と話した。6月3日まで。

写真展「戦争と平和・ベトナムの50年」で自身が撮った写真を前に当時の様子を語る石川文洋さん=21日、都内の銀座ニコンサロン

 石川さんは1965年からベトナムに滞在し、ベトナム戦争を撮影。戦争が終結した75年以降も、ベトナムをたびたび訪れ、不発弾や枯れ葉剤の被害者などを撮り続けてきた。 

 会場には、はいつくばって銃弾をよける米兵、戦闘で傷ついた民間人、枯れ葉剤の後遺症に苦しむ子供など、時代を経ても消えない戦争の悲惨さを伝えている。

 写真展終了後、ホーチミン市の戦争証跡博物館にある石川さんの作品の常設展示室に約150点を寄贈する。常設展示は98年に始まったが、写真が劣化しているため、新たにプリントした作品と入れ替える。

 来日している同館のフィン・ゴック・ヴァン館長は「石川さんの写真は、ベトナム人の気持ちが伝わってくるのが特徴。ベトナムの国内外の人に多く見てもらいたい」と話した。2人は24日に那覇市の県立博物館・美術館で、25日は名護市の名桜大学で講演する。