県建設業協会(下地米蔵会長)は会員企業と連携し、人材不足が顕著になっている鉄筋・型枠基礎技能工の育成に乗り出す。厚生労働省の緊急雇用創出事業を活用。13企業が一定期間の賃金助成を受け、6~10月にかけ、125人を正社員として採用する計画。社員には同協会独自の技能研修カリキュラムを受講してもらい、即戦力として現場に送り出す。(長浜真吾)

 同協会によると、鉄筋・型枠工に特化した人材育成、実際の雇用につなげる事業は、全国でも先駆け的な取り組み。同協会が会員企業から現場の課題などを聞き取り、13企業が事業への参加を希望。協会との共同企業体として、申請の窓口となる県に事業計画書を提出した。

 事業費は約2億3500万円。賃金助成期間は最長8カ月、毎月最大17万円が助成され、助成終了後も各企業の継続雇用が前提となっている。参加企業はハローワークに求人申請。18~40歳までの「若年層」を想定し、6月の約30人を皮切りに7月に35人、10月に60人を採用する計画。

 採用者には2カ月間、独自に作成した建築技能研修カリキュラムの受講を義務づける。専門技術者が建築構造や施工法、製図、測量、鉄筋や型枠の加工・組立について講義や実技を通して指導。現場で企業内研修と並行し、鉄筋と型枠の両技術の習得を促す。

 同協会が昨年11月末から12月末にかけて実施した調査では、型枠・鉄筋工など下請け業者の不足が1日当たり4414人に上った。過去の公共工事の削減などで技術者の離職や転職が増えたことから、人材確保・育成が大きな課題となっている。

 同協会の担当者は「正社員として採用することで、若者を中心に潜在的な雇用を引き出したい。研修で基礎知識を身につけて現場に出ることができれば、離職率を抑える効果もある」としている。

 参加企業は呉開発、善太郎組、大鏡建設、野原建設、比嘉組(以上那覇市)、呉屋組、第一三興建設、光建設(同糸満市)、明成建設(浦添市)、旭建設(北谷町)、仲本工業(沖縄市)、のうけん(国頭村)、屋部土建(名護市)。