沖縄科学技術大学院大学(OIST)の研究グループが、沖縄近海に最も多く分布しているミドリイシサンゴの113種類全ての個体識別に対応できる可能性があるDNA解析技術の開発に成功した。ミドリイシサンゴのDNA解析はこれまで5種類しかできていなかった。全ての種類に対応できる解析技術の開発は世界初。チームは「将来的には、ストレス環境に柔軟に対応したサンゴ礁の植え付けに活用できるのではないか」と期待する。

DNA解析技術の開発で個体識別が可能となったミドリイシサンゴ(沖縄科学技術大学院大学提供)

ミドリイシサンゴの個体識別技術の開発について発表する沖縄科学技術大学院大学の新里宙也研究員(右)と県環境部自然保護・緑化推進課の謝名堂聡課長=23日、県庁

DNA解析技術の開発で個体識別が可能となったミドリイシサンゴ(沖縄科学技術大学院大学提供) ミドリイシサンゴの個体識別技術の開発について発表する沖縄科学技術大学院大学の新里宙也研究員(右)と県環境部自然保護・緑化推進課の謝名堂聡課長=23日、県庁

 研究グループは、ミドリイシサンゴの中の四つのグループで最もDNA構成の違う二つのグループのサンゴを使い、遺伝子を鑑定。DNAの配列の中で、個体を識別できる「マイクロサテライト」の部分の左右に隣接する、共通して見られる領域を発見した。

 これを利用し、マイクロサテライトの位置を確定。これまでは一つのサンゴのDNAを解析するのに膨大な時間がかかったが、この技術を活用することで時間を省略できる。今後、個体それぞれのストレス耐性などの性質を解明できる可能性がある。ミドリイシサンゴは、沖縄近海やインド洋、カリブ海など世界に最も多く分布している。移植しやすいため、県のサンゴ礁保全再生事業の移植最優先種として用いられている。

 リーダーの新里宙也研究員(35)は「個体を識別できれば、さまざまな個性のサンゴを植えることで環境変化に柔軟に対応できる移植も可能となる」と期待。県環境部自然保護・緑化推進課の謝名堂聡課長は「保全再生事業への効果的な活用が期待できる」とした。

 研究成果は23日、学術誌フロンティアーズ・イン・マリンサイエンスのオンライン版に発表した。