柳田国男が沖縄を旅して書いた『海南小記』の中で、島豆腐のことを「野武士のごとき剛健」「華麗繊細なる都の絹ごしどもをして、面を伏せ気なえしむべき」と表現している

▼大きな木箱に入れられ、大豆の香りをたっぷり漂わせ、しっかりとした歯応えのある豆腐が、本土のものとは、まったくの別物に思えたのだろう

▼ビニール袋に入った出来たての「あちこーこー島豆腐」、保存に便利な「パック入り島豆腐」が中心の今でも、県民に親しまれている食材であることに変わりはない。沖縄総合事務局の調査によると、およそ2人に1人が、あちこーこー、パック入りをそれぞれ週1回以上購入している

▼不思議なことに、豆腐1丁の大きさは地域によって異なる。本土の大手メーカーの作る豆腐が1丁300~350グラムなのに対し、島豆腐は1丁1キロと大きい。最近は4分の1サイズも見掛けるが、店頭に並ぶあちこーこーは半丁がほとんどである

▼調査では「商品の大きさの工夫」を求める声がかなりあった。なるほど、一人暮らしや夫婦だけの世帯だと1日では使い切れない。単身用や少なめサイズなど選択肢は多い方がいい

▼買う前にビニールに手を当て温かさを確認するという、あちこーこー島豆腐ファンは多い。さらにちょっとした工夫で消費はもっと伸びる。(森田美奈子)