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  • 嘉手納基地で2010年以降にあった汚水や燃料の流出事故は206件
  • 米軍は23件を通報すべきと判断したが、日本は13件しか把握せず
  • 分析した英記者は「全ての事例を沖縄の人々に知らせるべきだ」

 米軍嘉手納基地で2010年以降に発生した汚水や燃料の流出事故について、日本政府が把握している件数が実際より少ないことが分かった。英国人ジャーナリストのジョン・ミッチェル氏が米軍内部文書などを基に分析した。ミッチェル氏が情報公開制度を通じて入手した嘉手納基地の流出事故リストによると、10~14年の発生は206件。このうち23件は米軍が内部基準に照らして日本側に通報すべきだと判断していた。

米軍嘉手納基地

 一方、赤嶺政賢衆院議員(共産)に対する答弁書によると、政府が把握している10~15年度の事故は13件。米軍が通報を決めた件数に比べて10件少ない。ミッチェル氏は「食い違いは、米軍と日本政府のどちらかがうそをついていることを示している」と指摘する。

 政府が知らない事故には、汚水約5万7千リットルの白比川などへの流出(10年11月)、ジェット燃料約150リットルの比謝川への流出(10年12月)、残留性有機汚染物質のフッ素化合物PFOS(ピーホス)を含む可能性がある泡消火剤約1140リットルの誤噴射(12年8月)などが含まれる。

 政府が把握している事例をとっても、例えば12年6月の汚水流出は量が「不明」とされているのに対し、米軍のリストで「約30万4千リットル」だと分かるなど、情報伝達の不十分さがうかがえる。

 米軍が内部基準に基づいて通報の必要性を判断していることについて、ミッチェル氏は「全ての事例を沖縄の人々に通報して、影響の有無を判断してもらう必要がある」と語った。全流出事故のリストを自身のウェブサイトで公表する予定。

 併せて入手した嘉手納基地の流出事故対策マニュアルも公表する。基地内の燃料タンクや地下排水溝の配置が詳細な地図に描かれ、流出時の影響範囲や対処手順が示されている。