【平安名純代・米国特約記者】米上院軍事委員会は23日、2015会計年度(14年10月~15年9月)国防権限法案の上院案の概要を発表した。在沖米海兵隊のグアム移転費は、グアムでの受け入れ施設の工程や費用の詳細などを明記した基本計画(マスタープラン)の提出など、議会が義務づけたいくつかの条件が満たされるまで、移転関連予算の執行凍結を継続するこれまでの方針を維持した。

 上院案は22日に軍事委を通過。近く上院本会議で可決される見通し。

 米下院は22日、グアム移転関連費では、オバマ政権が要求した約5100万ドル(約52億円)全額を計上した下院案を可決。今後、上下両院で法案の内容を一本化した後に最終案を可決する。グアム移転費は、これまで上院案が反映されてきた。

 一方で、上院案には同会計年度内の兵力規模を空軍約31万900人、陸軍約49万人、海兵隊約18万4100人とすると定めている。

レビン委員長「妥協せぬ」

 【平安名純代・米国特約記者】在沖米海兵隊のグアム移転費の凍結継続を決定した上院軍事委のレビン委員長は22日、本紙の取材に対し、「米国防総省は、われわれの再三にわたる要求にもかかわらず、いまだに基本計画書を提出していない。莫(ばく)大な予算を必要とする計画だ。妥協はできない」と述べ、厳しい姿勢を堅持する方針を示した。

 日米両政府は上院に予算凍結の全面解除を認めるよう働き掛ける方針だが、レビン氏は強硬姿勢を崩す気配がない。

 基本計画(マスタープラン)書が提出できない主要因は、計画の要である実弾射撃訓練場の建設地がいまだに決定できず、移転後の海兵隊の配置などの全体像が定められないことにある。

 米海軍省は、同島北部の空軍基地内を有力候補に定め、前回の環境影響評価(アセスメント)を補足する形で選定作業を進行。これを受け、実弾射撃訓練場の建設地が決定するとの前提に基づいた米国防総省は、「基本計画書が提出できる見通しがついた」とし、予算の全額承認の獲得に向けた期待を示していた。

 ところが、新たな候補地も自然保護区の環境を損なう可能性が指摘され、再び難航する可能性が浮上。楽観ムードは一転した。

 ボダリヨ下院議員(グアム選出)は、下院の法案審議の間際に法案を提出したが、レビン氏らは「アセスの行方をまず見極める必要がある」とこれを受け入れなかった。

 日本では、昨年末の仲井真弘多知事の辺野古埋め立て承認で、グアム移転計画が進展したかのような印象が先行するが、レビン氏は「たとえ普天間を辺野古の代替施設に移転する計画が進んだとしても、グアムの受け入れ施設が整わなければ、おそらく移転は難しいだろう」と懐疑的な見方を示した。