米軍基地が集中する本島中部地域。どこでも米軍関係者をみかける。運転中、飲食、ビーチ、通りを歩けばすれ違う。そんな日常の風景は、米軍関係者による事件・事故が起きても変わっていない

▼女性遺体遺棄事件を受け、在沖米軍は「哀悼を示す期間」として1カ月間、外出制限と基地外での禁酒措置を講じた。「罰ではなく、被害者と家族へ深い哀悼を示し、沖縄の住民として責任を確認する」ためだ

▼その期間中、米海軍兵が飲酒運転し、国道を逆走する事故が起きた。「同僚宅で飲み、帰る途中だった」と話しているという。「哀悼を示す」期間だけにあきれる

▼「完全に県民をばかにしている」「米軍の綱紀は緩みっ放しだ」。相次ぐ事件・事故に米軍基地周辺の自治体の首長らが発した怒りは、県民の思いを代弁するには十分だ

▼日常の生活を脅かされた事故の被害者と変わらない日常を過ごす米兵。この違いは何か。「基地あるがゆえ」の構図を変えなければ、同じことが繰り返されることは過去から学んできた

▼在日米海軍は基地内外での飲酒を禁じた。再発防止策、綱紀粛正、遺憾…。聞こえのいい言葉を並べても、安心・安全の担保にはならない。命や人権が日常的に脅かされている状況が続く異常さを、日米両政府はあらためて直視すべきだ。(赤嶺由紀子)