【サイパン26日=島袋晋作】太平洋戦争時に日本の統治領だった旧南洋群島で犠牲になった県関係者の墓参を続ける南洋群島帰還者会(平良善一会長)は26日、第45回全南洋群島沖縄県人戦没者慰霊祭をサイパン北部にある「おきなわの塔」で開いた。旧南洋群島は今年、1944年に米軍に占領されてから70年を迎える節目。1万2826人に上る県関係犠牲者のみ霊を慰めようと、県内外から100人以上が参列した。

南洋群島の戦没者を悼み、手を合わせる遺族ら=26日、サイパン島

 会員の高齢化で近年は参加者数が減っていたが、節目とあって前年の約2倍の規模となった。戦時中まだ子どもだった80代から、下は20代の孫らの世代が参列。さまざまな思いで犠牲者を悼むとともに、平和の尊さをかみしめていた。

 式典では遺族を代表し、帰還者会前会長を務めた宜野座朝憲さん(故人)の長男、憲一さん(62)が追悼の言葉を述べた。

 憲一さんは、朝憲さんの南洋への強い思い入れに触れ、「子や孫に南洋のことを伝えること、現地の方々との友好親善を深めることをできることからお手伝いしたい」と述べた。

 平良会長(84)は「私たち生存者は荒廃した沖縄で幾多の苦難を乗り越え、復興にまい進し、家族も増えて平和に暮らしている。戦没者のみ霊が見守ってくださったおかげだと感謝し、あらためて平和の尊さをかみしめている」と語り掛けた。

 県遺族連合会の照屋苗子会長(78)も参列し「二度と再び、あの悲惨な戦争が起こることのないよう決意を新たにし、世界の恒久平和実現のため、なお一層努力することを誓う」と宣言した。帰還者会は27日、サイパン島同様に地上戦が繰り広げられ、約2千人の県関係者が犠牲になったテニアン島の「沖縄の塔」で慰霊祭を予定している。