米軍普天間飛行場の名護市辺野古への移設に向け、防衛省が漁船操業制限法に基づき、キャンプ・シュワブ周辺の米軍提供水域内での漁業や航行について制限する手続きを始めたことが27日、分かった。埋め立て工事区域がすっぽり入る範囲で、移設に反対する住民らを締め出し、作業を円滑に進める狙いがあるとみられる。

キャンプ・シュワブ周辺の提供水域

 防衛相から農林水産相をへて、県水産課が27日、名護市と漁業権を持つ名護漁協、県漁連に意見照会の文書を出した。6月5日までの回答を求めている。

 地元の意向を踏まえ、農水相は防衛相に6月18日までに意見を提出する。関係者によると、防衛省は制限の設定について米軍とも調整しており、7月上旬をめどに官報での告示を目指しているという。

 移設予定地のキャンプ・シュワブ沖は、米軍の提供水域が5区域に分かれており、それぞれに制限がある。沿岸部に接する第1、2区域は米軍の排他的使用が認められ、漁業や立ち入りを常時禁止。その外側の第3区域は船舶の停泊、係留、投錨、潜水、その他のすべての継続的行為を禁止するが、航行や立ち入りに制限はない。

 2004年の海底ボーリング調査では、第3区域で反対派が作業員と衝突し、調査を中断に追い込んだ経緯がある。

 防衛省は第3区域の大半にかかる埋め立て予定水域で、漁業や航行を制限する。漁業経営上の損失がある場合、名護漁協に補償金が新たに支払われる見通しだ。

 名護市の担当者は「市内でこれまでに米軍への提供水域にからむ制限が変更されたことはない。詳しい内容を確認しながら、調整したい」と話した。