2015年に返還が予定される米軍キャンプ瑞慶覧・西普天間住宅地区(約51ヘクタール)に、琉球大学医学部と付属病院を移転する計画が進んでいることが27日、分かった。移転先は海軍病院に隣接し、県が計画する重粒子線治療施設などと連携した「国際医療拠点ゾーン」。宜野湾市や地主、県、国でつくる跡地利用の協議会では19~20ヘクタールを確保する宜野湾市案が検討されている。

キャンプ瑞慶覧・西普天間住宅地区と国際医療拠ゾーン

キャンプ瑞慶覧・西普天間住宅地区への移転が検討されている琉球大学医学部と付属病院=2011年6月、西原町上原

キャンプ瑞慶覧・西普天間住宅地区と国際医療拠ゾーン キャンプ瑞慶覧・西普天間住宅地区への移転が検討されている琉球大学医学部と付属病院=2011年6月、西原町上原

 大城肇琉大学長と佐喜真淳宜野湾市長は29日に、県庁に仲井真弘多知事を訪ね、学長が医療拠点に参画する意向を伝え、市長は県に協力を要請する。これを受け、知事は近く上京し、総額で約1千億円とされる費用の財政的な支援を国に求めるとみられる。

 市や県は返還跡利用で医療拠点化を目玉に位置付け、国も全面的にバックアップする姿勢を示している。国際医療拠点ゾーンは返還される約51ヘクタールの約4割にあたる19~20ヘクタール。

 琉大医学部や付属病院の移転が実現すれば、重粒子線施設のほか、沖縄科学技術大学院大学(OIST)、沖縄メディカル・イノベーション・センター(OMIC)との連携も図られ、臨床研究分野での拡充も期待される。

 一方で、実現のスケジュールは不透明な面もある。跡地調査で支障物が出てくれば除去に一定の期間を要する。また、移転費の裏付けや、重粒子線など関連施設の進捗(しんちょく)、地主の合意形成などの課題もある。

 市は27日夜、新城公民館で地権者への説明会を開き、琉大病院の移転案や普天間高校を県道81号沿いに移転する案を報告した。

 付属病院は県内で唯一の特定機能病院。エイズ診療や、がん診療連携、肝疾患診療連携などの拠点指定を受けている。骨髄移植センター設置で感染症や心臓・循環器疾患など高度医療を担う。病床数は600床。

 西原町にある現在の病院は1984年に設置され築30年を迎える。老朽化や狭さを改善しようと、建て替えの計画を進めていた。

 [ことば] キャンプ瑞慶覧・西普天間住宅地区 1996年のSACO最終報告で、キャンプ瑞慶覧の住宅統合に伴い返還合意された。2012年の日米による米軍再編見直しの共同発表で「速やかに返還」とされた。12年に施行された駐留軍跡地利用推進特別措置法(跡地法)に基づき今年1月、「拠点返還地」に初めて指定された。政府が今後の跡地利用のモデル地区と位置づけている。地権者は約660人。西側は利用が難しい斜面緑地で、宜野湾市が公園として整備する予定。