沖縄県内で労働基準法など労働者を保護する関係法令を順守しない働かせ方が横行している可能性のあることが28日、県の雇用実態調査で明らかになった。16業種788事業所が対象で、年次有給休暇(年休)のない事業所は約2割、パート労働者に育児・介護休業制度を適用しない事業所は約5割に上った。表面化しにくい労働環境の実態をさらに明らかにするため、県は本年度からより詳細な調査に乗り出すことを検討している。(篠原知恵)

 県が昨年度実施した調査によると、労基法39条で事業者に義務付けられた従業員の年休について、制度が「ない」と答えた事業所は、従業員29人以下の企業を中心に全体の20・1%に上った。39条は半年以上勤務する労働者に年休を与えるよう定めており、従業員数に関係なく年休の申し出を断れば違法となる。

 年休制度を「ない」と答えた事業所が多かったのは(1)建設業(2)卸・小売業(3)製造業(4)宿泊・飲食サービス業-だった。

 一方、育児・介護休業制度をパートタイム労働者に適用しない事業所は49・3%だった。育児・介護休業法は休業の申し出を「拒むことができない」と規定。(1)日雇い(2)休業後に雇用継続の見込みなし-など一部条件を満たさない限り、パートも適用対象。

 就業規則で育児休業を定めずにいる事業所は30・3%、介護は43・1%に上り、10人以上の従業員を雇う事業所は就業規則に休暇・休業制度を明記するよう定めた労基法89条に抵触している。

 2013年の失業率が18年ぶりに5%台となり雇用情勢が改善傾向にある一方、県内の離職率や非正規雇用率は全国一高く、労働条件や働きがいづくりなど「雇用の質」の改善が急務となっている。

 連合沖縄の高良恵一事務局長は「県内の劣悪な雇用環境を振り返れば(調査結果は)氷山の一角。年休の取得以前に休日さえないなど、さらにひどい実態がある」と指摘した。