首里高等女学校で沖縄戦に動員された元瑞泉学徒隊の宮城巳知子さん(88)の証言を収録したドキュメンタリー映画「17才の別れ」が28日までに完成した。宮城さんは遺体を連日、壕から艦砲射撃跡の穴へ運びだしたり、日本軍から重傷者を注射で毒殺するよう命じられるなど過酷な体験を語った。300回以上語り部を務めたが近年は高齢で難しくなった。それだけに、「映画ならずっと後世に残せる。二度と戦争を起こさせないという望みを託した」。6月23日に糸満市の県平和祈念資料館で上映される。(新里健)

「17才の別れ」の一場面。宮城さんが学徒隊での沖縄戦体験を語っている。より多くの人たちに知ってほしいと英語の字幕を付けた

 監督は引きこもりを扱った映画「扉のむこう」の制作に携わった東京都在住の齊木貴郎さん(64)。

 題名は、多くの学徒隊が17歳の若さで戦没した無念から付けた。

 撮影は一昨年8月に始まり、宮城さんは6時間インタビューを受けた。野戦病院だった首里市(当時)のナゲーラ壕で、麻酔がない中、負傷兵の足をのこぎりで切断する手術の残酷さを正視できず、手術台を離れたと話した。日本兵の治療が優先され、住民からなる防衛隊員は重傷でも見向きされず、扱いに差別があったと証言。摩文仁村(同)の米須本部壕では弾片が耳をかすめ、すぐ後ろにいた親友の同級生に当たって亡くなり、自ら葬ったと悲しみを語った。

 映画は1時間50分。英語の字幕を付けた。日本軍と共に転々とした壕や解散命令後に学徒らが身を投げた喜屋武岬に加え、宮城さんが住む嘉手納町で、米軍基地から爆音をとどろかせ離着陸する戦闘機が映し出される。豊見城高校と真和志高校の生徒も登場し、現在の学校生活と戦時の落差を浮き彫りにしている。

 瑞泉学徒隊61人のうち戦没したのは33人。「私は亡くなった皆に生かされている。体験を伝えなさいよ、と後押しされてきた」。宮城さんのこの言葉に胸を打たれたと齊木監督は振り返り、「沖縄が明治以降、日米両国によって不公正に扱われてきたと学んだ」と話した。上映会は午後2時から。無料。