【石垣】波力を使った発電開発に向けて、石垣市が石垣島の北東海域を実験海域として指定するよう名乗りを上げている。波力発電が実現すれば、市域への企業参入や雇用創出、エコアイランドのイメージアップなどが期待されている。国は今年の夏ごろ全国の候補地の中から海域を指定する見通し。(新崎哲史)

発電に適した継続的な波の有無を調べるため、海底に波高計を設置する作業員(提供・県産業政策課)

 波力発電の実証実験は、国が海の自然エネルギーを活用した発電開発を促そうと、実験海域を指定する「海洋再生可能エネルギー実証フィールド」指定の一環。

 実用化が期待される海洋エネルギーのうち洋上風力、波力、潮流、海洋温度差、海流の5分野でそれぞれ発電実験を行う海域を決めるが、沖縄県内では石垣市が波力、久米島町が海洋温度差の指定に向けて申請を済ませている。

 22日、石垣市役所で第1回いしがき波力発電実証フィールド関係者連絡会議が開かれ、エリア候補地の住民代表や漁協、環境省の職員らが波力エリア指定に向けて協議した。

 県産業政策課の担当者は事業概要の説明で、石垣近海を調査し、発電実験に適した伊野田沖と浦底湾など5海域を選んだことを報告。波力発電が実現した際の地域への波及効果なども紹介した。

 地域住民から「台風時に実験器具が浜辺に打ち上がらないか」とした疑問が上がったほか、漁協は「漁に影響のある大型施設では困る」と指摘した。

 県の担当者は「研究機材は開発業者が決めるが、住民や行政と連携する」と述べ、地元協議を優先する考えを示した。

 同課の座安治副参事は「台風の波力に耐える発電技術を確立すれば、アジアや太平洋諸国への輸出が可能になる。石垣島のメリットをアピールしたい」と強調した。