沖縄県は30日、東日本大震災後に見直しを進めてきた地震被害想定調査の概要を公表した。21パターンの地震で、それぞれ具体的な被害状況を示した。三つの海溝型地震が同時に発生する最大規模の「沖縄本島南東沖地震3連動」(マグニチュード9・0)では津波による死者が1万1109人、負傷者が10万5025人、建物の全壊が3万5308棟に上る。

県地震被害想定の比較

 また、津波の到達予想時間までに浸水する地域から安全な場所に避難することが難しい「津波避難困難地域図」を初めて作成した。

 県は「被害の全体像を把握するための目安で、近い将来に想定通りの地震が発生することを予知したものではない」と説明。6月2日に市町村の担当者へ説明し、防災計画や津波避難計画の作成、見直しなどに活用するよう求めていく。

 内陸型の地震8、海溝型の地震12、どこでも起こりうる直下型の地震1の計21パターンを想定。2011年の東日本大震災などから得た新たな知見やデータをもとに、揺れの強さや、建物、人的、ライフラインなどの被害を予測した。

 本島南東沖地震3連動は本島東方沖、本島南東沖、八重山諸島南東沖の三つの海溝型地震が同時に発生する。東日本大震災でも複数の海溝型地震が同時に起きたことや、1771年に八重山、宮古を襲った「明和の大津波」の被害状況から連動型地震の可能性があることを踏まえ、想定地震の対象に含んだ。

 単発の地震でも津波による死者は、本島南東沖(M8・8)で9349人、本島東方沖(同)で6269人、石垣島東方沖(M8・0)で2145人と被害は大きい。県の又吉進知事公室長は「大震災後に津波がリアリティーあるものになった。最新情報を基に対策を急ぎたい」と話した。

 県は検討委員会(委員長・仲座栄三琉球大学副学長)を設置し、計4回の会合を開き、被害想定をまとめた。

 県防災危機管理課のホームページで閲覧できる。アドレスは、http://www.pref.okinawa.lg.jp/site/chijiko/bosai/h25jishinhigaisoutei.html