「肥満大国」のアメリカより成人肥満率が高いメキシコで、昨秋、清涼飲料水やファストフードなど高カロリー食品への課税が決まった。いわゆる「肥満税」だ

 ▼アメリカの影響による食習慣と運動不足が原因とされるのは、どこかで聞いた話。メキシコでは大人だけでなく子どもの肥満も深刻で、政府は学業や仕事の効率悪化につながると、事態を重視する

 ▼ハンガリーでは、すでに3年前から、通称「ポテトチップス税」が導入されている。特定の商品を対象とする荒療治には異論もあるが、関連が指摘される飲食物へ課税を目指す動きは各国に広がる

 ▼体格指数(BMI)が25以上の太りすぎの人が世界に約21億人いると、日本を含む国際研究チームが発表した。実に3人に1人という切迫した事態で、専門家は「世界的な肥満の流行といえる実態が明らかになった」と話す ▼調査では、日本の肥満割合は各国と比べると、それほど高くない。ただし全国一の肥満県で成人男性の2人に1人が太りすぎとされる県内では、「肥満国」と共通の社会問題を抱える

 ▼肥満は生活習慣病の原因となりやすく、健康や長寿を脅かす。子どもの場合、親の生活習慣が影響することも少なくない。これまで肥満の減少に成功した国がないことを考えれば、「21億人」は警告に十分な数字である。(森田美奈子)