鳩山由紀夫元首相が理事長を務めるシンクタンク「東アジア共同体研究所」は31日、琉球・沖縄センターの開設を記念するシンポジウムを那覇市内のホテルで開いた。鳩山氏は緊張が高まる日中関係を念頭に、武力行使ではなく対話による解決の必要性を指摘。「沖縄は沖縄戦で捨て石、今は軍事的な要石となっている。これを平和の創造に向けた要石にしていきたい」と述べ、沖縄が東アジア共同体の中心を担う構想を強調した。

東アジア共同体について話し合う参加者ら=31日、那覇市のロワジールホテル那覇

 シンポでは、政治学者で国際アジア共同体学会代表の進藤榮一氏、研究所の理事を務める元外務省国際情報局長の孫崎享氏、インサイダー編集長の高野孟氏が登壇。訪米を終えた稲嶺進名護市長も講演し、鳩山氏らとの連携を強化する意欲を表明した。

 登壇者からは集団的自衛権の行使容認に向け、憲法解釈の変更を検討する安倍晋三政権への批判が相次いだ。

 高野氏は安倍政権の特徴を「新富国強兵路線だ」と位置づけた。冷戦終結後に仮想敵国を旧ソ連から北朝鮮、中国にシフトして在沖米軍基地の重要性を強調し続ける姿勢を「脅威の横滑り」と指摘し、警戒感を強調。国連と連携した「集団安全保障」による問題解決を図るべきと訴えた。

 稲嶺市長は訪米の取り組みを報告し「米国で沖縄の問題はまだ知られていないが、訪米中に47件の日程をこなし、テレビや新聞などメディアから12件のインタビューを受けた。文字や映像で多くの米国民に伝えた意義は大きい」と話した。