Q 最近、ニュースで見かける「重粒子線治療施設」って何?

 A メスで体を切らずにがんを治療する画期的な治療方法で、その治療装置を備えた施設のことなんだ。沖縄に造る計画が進んでいるよ。総事業は約155億円で、来年3月に土地が返される予定の米軍キャンプ瑞慶覧・西普天間住宅地区(宜野湾市)に導入する考えがある。県は5年後のオープンを目指しているよ。

 Q どんな治療方法なの?

 A 重粒子線(炭素イオン)という放射線を照射し、体の深部にあるがんにピンポイントで強いダメージを与えて治療するんだ。1回30~40分で、通院治療ができる。痛みがなく、体への負担も少ない。平均約3週間の短い期間で治療ができるのもメリットだね。

 Q どんながんでも治るの?

 A 肺がん、肝臓がん、骨肉腫など多くのがんに効果があるとされているよ。ただし、白血病や全身に転移したがん、部位や進行、具合によっては効果が期待できないものもあるんだ。

 Q 治療費が高そう。お金持ちしか治療ができないのでは?

 A 治療には約300万円掛かり、公的医療保険が適用されないというデメリットがある。でも、沖縄では県民共済制度の検討が進んでいるよ。例えば、現在がんにかかっていない80歳以下の県民は毎月500円の負担で治療費と、旅費・宿泊費の全額を保障する内容だ。保険適用に向けた国への働き掛けも推進するんだって。

 Q 全国にもあるの?

 A 現在は群馬大学や千葉県の放射線医学総合研究所など4県で稼働中、沖縄を含む4カ所で建設や計画などが進んでいるよ。日本発の技術で、海外でもドイツと中国にしかなく、高度な先進医療として注目を集めているよ。

 Q 施設はどこが運営するの? 

 A 県は来年度以降に民間から公募する予定。治療装置は県が持って、土地・建物は運営会社が所有する方法をとる方針。人件費や設備保守費などで年間12億6千万円の運営費が掛かる見込みなんだけど、県は「十分に利益が確保できる。赤字の穴埋めはしない」として民間運営を支持しているよ。

 Q ビッグプロジェクトだね。今後の課題は?

 A つい最近、琉球大学医学部・付属病院が同じ地区に移転する構想が発表された。県は重粒子線治療施設と大学・病院との連携で産業振興、国際交流、地域医療の水準向上-を目指し、同地区を「国際医療拠点」として跡地利用のモデルにしたい考えがあるんだ。地権者の理解や、がん治療の選択肢が増えるメリットなどを県民に丁寧に説明していく必要が求められるね。(政経部・石川亮太)