【糸満】沖縄戦中、地域住民の命を守った自然壕に感謝する「潮平権現祭」が2日、糸満市潮平と阿波根の境にある権現壕前で執り行われた。区民40人と平和学習で訪れた潮平小6年生児童138人が参加し、ごちそうを供え、全員で命を救ってくれたことへの感謝の祈りをささげた。沖縄戦の戦争遺跡を調査する沖縄平和ネットワークの川満昭弘代表世話人は「ガマや壕は、沖縄戦で多くの住民の命を守った。中でも、潮平は終戦後から毎年区民が、感謝の祭りを続けている数少ない地域。今後も、若い人たちに継承してほしい」と話した。(下地広也)

沖縄戦時、住民ら約560人の命を守った壕に、感謝の祈りをささげる潮平小6年の児童と潮平区民ら=2日、糸満市潮平の権現壕前

 潮平自治会の金城正英区長(62)は「私たちが、今生きているのも壕のおかげ。区民を守ってくれた壕に感謝し、後世に語り継いでいきたい」とあいさつした。

 初めて壕を訪れた6年4組の金城有紀さん(11)は「おばあちゃんから壕の話は聞いたことはあったけど、初めて来た。身近な場所の歴史を、もっと学んでみたい」と話した。

 1945年3月下旬から、約560人の住民らが約3カ月間、壕で避難生活をした。避難中、犠牲者が出なかったことで区民は、壕には神がいると、鳥居や石碑を建立した。48年から毎年、壕から出て捕虜になった日、旧暦5月5日に祭りを続けている。

 壕で避難生活をした金城徳市さん(86)=同市潮平=は「壕があったから、激しい戦禍を生き延びることができた。毎年参加し感謝を伝え続けている。今後は、子や孫たちに受け継いでもらいたい」と期待した。

 壕は以前は県内外の児童や生徒が平和学習に使っていたが、壕の一部が崩落したのが確認され、現在は立ち入り禁止になっている。沖縄平和ネットワークの川満代表世話人は「沖縄戦を継承するため、市や県が壕を文化財に指定し、保存や活用を図る必要がある」と提言した。