街中で、うずくまっている人に気づいたら声を掛けますか。1人で不安げな様子の高齢者の場合は? はたまた、夜中に道ばたで寝ている酔っ払いだったら

 ▼ちょっとした勇気を発揮する場面だが、声掛けの難易度は徐々に上がる。友人や同僚でも介抱が難しい酔っ払いの場合は、遠巻きに心配しつつも近寄らない人が多いかもしれない。親切心が逮捕されるあだとなってはなおさらだ ▼酔いつぶれていた男性のポケットから財布を取り出した本島中部の男性臨時教員(34)が窃盗の疑いで現行犯逮捕された後、不起訴処分になり釈放された。おじさんと呼び掛けても反応がなく身元を確認しようとしたという

 ▼当初から否認していたご本人は、疑いが晴れても釈然としないだろう。咎(とが)はなく良心に従っただけなのに「軽率だったと悔やむ」思いをしている

 ▼確かにタクシードライバーは窃盗やセクハラといったトラブル回避のため、眠り込んだ酔客の身体には手を触れず、交番に向かう教育を受けると聞く。プロの接客態度が一般にも広がったのだろうか

 ▼路上寝は増え、対応は警察任せの様相だ。通報は昨年、6577件に上り、死亡事故も起きている。失敗談として語られるおおらかな時代は過ぎた。身を危険にさらし、時に善良な市民を巻き込む飲み方を、見直す時期にきている。(与那嶺一枝)