沖縄県高齢者福祉介護課は4日、18歳から65歳未満で若年性認知症と診断された人(疑いを含む)が県内で392人に上るという初の実態調査の結果を発表した。発症や介護などの状況を詳しく調べた2次調査で「初診の病院で認知症と診断されなかった」というのが半数を超えるなど、早期治療につなぐ体制づくりが課題になっている。調査では仕事を続ける難しさや介護の負担の大きさなどが明らかになり、当事者や家族を取り巻く環境の厳しさが浮き彫りになった。

 調査は、県の委託を受けた「認知症の人と家族の会県支部準備会」が2013年11月から14年3月にかけて2段階に分けて実施。

 沖縄県内全域の医療機関や施設など計1140カ所に調査票を送り、70・7%の785事業所から回答を得た。

 そのうち、130カ所からの回答で、高齢になった人を含めた若年性認知症の人数は499人(18~89歳)になり、家族の会が把握した10人を加え、県内で509人が把握された。

 2次調査に回答した104人のうち、認知症に気付いた年齢は「55~59歳」が39・4%で最も多く、「60~64歳」24%、「50~54歳」14・4%と続いた。初めて診察を受けた病院で認知症と診断された人は29・8%にとどまった。

 発症時に就業していた人は39・4%。一方で、退職・解雇が80%を超え、就労継続の難しさが明らかになった。

 診断から治療・介護に至る経過で専門病院や治療方法などの情報を求める意見は半数を超えた。介護の負担増を訴えた回答は88・2%に上った。

 県は認知症サポート医や家族会の代表らでつくる会議を今月中旬に開き、調査結果を報告。支援対策の拡充などの具体的な施策を検討する。

 本年度中に県版のサポートハンドブックを作成も予定している。

 準備会の金武直美代表は「調査は生の声を聞けたことである程度の説得力を持つが、県内の支援充実の始まりだ。行政や地域、医療、介護、企業の多岐にわたる分野で課題を解決する対応を考えていかなければならない」と話した。