従来より企業が参入しやすい仕組みにした国の「経済金融活性化特区」に名護市が指名されたことを受けて、新たな対象産業を指定するなど県が策定中の特区計画案の概要が6日、分かった。業種は従来の金融のほかに情報通信、観光、農水産、製造を新たに盛り込み、大幅に拡大した。(石川亮太)

 県は17日の県振興推進委員会に諮って計画を確定させ、その後、国に提出し総理大臣の承認を受ける。

 新特区では新規参入の企業が4割の所得控除を受けられるほか、既存企業も投資税額控除や特別償却で優遇措置の対象になることから、既存企業の振興も考慮している。観光業ではホテルやゴルフ場、テーマパークなどを対象にし、製造業では飲料・食品加工業のほか、特産品などのものづくり企業も支援したい考え。畜産業や水産養殖業なども想定している。

 小売業や建設業なども案に上がったが、既存企業とのパイの奪い合いを懸念し、除外した。

 特区の効果については、失業率の改善や観光収入の増大、入域観光客数1千万人の実現などに寄与するとしている。計画期間は、県が策定した振興計画「沖縄21世紀ビジョン」期限の2021年度末まで。

 新特区では、「特区内のみに事業所を有すること」とする「専ら要件」が緩和されたほか、対象企業の従業員数を従来の10人以上から5人以上に引き下げた。投資税額控除も従来は1千万円超が対象だったが、100万円超に緩和された。

 新特区は、02年から名護市が指定を受けてきた「金融特区」を廃止し、新たに創設された。旧特区では対象業種が金融業だけで使い勝手が悪かったため、県は業種の拡大などを国に要望。政府は4月に沖縄振興特別措置法を改正し、新たな枠組みをつくった。

 新特区をめぐっては、金融サービス業の「S.O.W」(東京都・阿部亨社長)が名護市内に準備室を設置するなど県からの事業認定に向けて準備を進めている。