沖縄近海でマグロはえ縄漁船の漁具被害が相次ぎ、米船艇の関与が疑われている問題で、被害前後に米海軍の音響測定艦「インペッカブル」が切断されたはえ縄の上を航行し、その様子を県近海鮪(まぐろ)漁業協同組合(我如古清組合長)所属のマグロはえ縄漁船「第一寿丸」の男性船長(67)が写真撮影していたことが7日、分かった。県漁業協同組合連合会など関係団体は同測定艦への疑いを強めており、今後漁業者側の証言を補強する有力な物証になる可能性が高い。

マグロはえ縄漁船「第一寿丸」から撮影された米海軍の音響測定艦「インペッカブル」=5月27日正午ごろ、沖縄近海(「第一寿丸」提供)

 船長によると、米測定艦をカメラに収めたのは先月27日正午ごろ。沖縄本島南西沖で、沈めていたはえ縄の仕掛けを引き揚げようとした矢先、その真上を北東から南西に横切る形で同測定艦が航行した。

 直後に仕掛けを回収したところ、縄が切られるなどの漁具被害を確認。第一寿丸だけで被害金額は約35万円に上った。当時、同船と並んで操業していた別の5~6隻が同様の被害に遭った可能性があり、被害額はさらに膨らむのは必至だ。

 音響測定艦は、長大なソナー(音波探知機)をえい航し、潜水艦のスクリュー音などを収集して艦種を特定する。船長は「海中にソナーを垂らして引きずりながら航行するから、海中でソナーにはえ縄が絡まって切れる」と話した。

 県漁連などのまとめによると被害漁船数は5月28日時点で7隻。沖縄防衛局を通して米軍に事実関係を照会しているが、23日の問題発覚から2週間経過した6月7日現在も回答はない。

 船長は「はえ縄の上を通らなかったら被害が出るわけがない。100%の確率でインペッカブルが原因だ」とし、「こんなひどいことをする米軍に沖縄の人はいつも泣き寝入りしないといけないのか」と怒りで声を震わせた。