【南風原】沖縄戦直前の1944年、南風原村(当時)から児童ら278人が熊本・宮崎両県へ学童疎開した。70周年に当たる今年8月、現在70~80代の体験者6人と町内の小学6年生12人が両県を訪ねる。元学童が感じた疎開の苦しさや戦争への思いなどを、小学生が感じ取って後世に伝えることを目的に、10年ぶりの開催。担当の南風原文化センターは「ただ『大変だった』で終わらせるのではなく、当事者と現地を訪ねることで、思いをくみ取ってほしい」と話している。

南風原の学童疎開70周年を記念した子ども平和交流事業で、現地研修に向け事前学習する小学生たち=7日、南風原町立南風原文化センター

 南風原の国民学校1~6年生らは44年8月21日、那覇港から和浦(かずうら)丸で113人が熊本県八代市へ出発。第2陣165人は9月9日、一進丸で宮崎県の西都市、日向市、高鍋町へ向かった。

 疎開学童の足跡をたどろうと、8月20日に船で那覇港から鹿児島へ出発。バスで熊本県の日奈久(ひなぐ)国民学校跡などを訪問し、疎開学童の飢えや寒さ、親のいない寂しさに苦しんだ体験、受け入れた両県の元学童らの思いを聞く。

 また、日向市の美々津国民学校近くに今年2月に建立された「南風原学童疎開記念の碑」を訪ね、現地の小学生と交流。24日に沖縄へ戻る。

 現地訪問は、南風原町と町教育委員会が主催する「町子ども平和学習交流事業」の一環。参加児童は7日、南風原文化センターで始まった全8回の事前学習を受けた。

 児童らは沖縄戦が起きた背景などについて、同センターの平良次子学芸員(51)から学習。大きくてかっこよく見えた「対馬丸」に、南風原の疎開学童が乗船したがっていたと説明されると、児童らは熱心に耳を傾けた。

 津嘉山小の平良萌さんは「沖縄以外の戦争について知りたいと思い応募した。学童疎開で何があったのかを学びたい」、仲村渠唯(い)織(おり)君は「体験者の話を聞いて、いろんな人に伝えたい」と話した。

 南風原文化センターでは8日から、企画展「南風原の学童疎開」を開く。70周年の節目に、あらためて歴史を振り返り、将来を考える狙い。入場無料、30日まで。