【ウトゥ・カカジ通信員】米国で日系アメリカ人初の上下両院議員になり、上院議員を50年近く務め、上院仮議長にもなった故ダニエル・イノウエ氏をしのぶシンポジウムが5月15日、米首都ワシントンDCのアメリカン・インディアン博物館で開かれた。

日系2世の重鎮、イノウエ元上院議員をしのび開かれたシンポジウム=アメリカン・インディアン博物館

 「未来を見つめるために~イノウエ上院議員の人生と残した遺産」と題し、氏が生前ハワイやアラスカ州と北米の先住民のために尽力した功績を学者や政府関係者、先住民権運動家ら19人が講演。

 アラスカ出身のパトリシア・ゼル氏はインディアン博物館が国会議事堂の真向かいの一等地に建設されたのはイノウエ氏の尽力と説明。ハワイ大学のマッケンジー教授は、ハワイの先住民教育に関する条約や、ハワイ王朝転覆を大統領が謝罪する法案の調印、米軍演習地だったハワイのカホオラウェ島返還など、イノウエ氏が力を尽くしたことが紹介された。

 イノウエ氏はハワイ出身の日系2世で2012年12月に88歳で死去。民主党の重鎮で、上院歳出委員長時代に沖縄の米軍普天間飛行場の県外移設に難色を示していた。一方で、日系人として米国で受けた差別体験を踏まえて、「沖縄の人々も似たような境遇だ」とクリントン元大統領に語ったと報じられている。