県は、沖縄を経由し、首都圏とアジアを結ぶ通信回線網の整備を計画している。太平洋沖合に敷設されている光海底ケーブルの沖縄への陸揚げを想定しており、本年度予算に10億円を計上。今月中にも実施企業を公募し、早ければ来秋にも運用を始めたい考え。通信環境の向上とコスト低減で、国内外から企業を誘致し、アジアの情報通信ハブを目指す。(照屋剛志)

沖縄国際情報通信基盤(海底光ケーブル)の整備イメージ図

 昨年度は、情報通信環境が向上した場合の沖縄進出の可能性を聞いた意向調査を、首都圏の企業を対象に実施。1181社から得た有効回答を基にした推計では、情報通信産業と金融保険業を中心に約800社が進出の可能性があるとした。800社すべての進出が実現すれば、経済波及効果は4千億円に上るという。

 アジアに近い沖縄は、距離の近さから通信速度が速く、コスト低減も見込め、アジアに拠点を置く企業が、業務の効率化につながるとして進出に興味を示しているという。

 また、首都圏から離れているため、災害時に同時被災するリスクが低く、データのバックアップセンターとしてのニーズも高まっている。

 本島から200キロの太平洋沖合には、千葉とシンガポールを結び、香港にも分岐する大容量の光海底ケーブルが敷設されており、このケーブルの沖縄への陸揚げを想定している。ただ、新たにケーブルを敷設する企業が、沖縄への接続も一体的に提案する可能性もある。

 国際通信回線は、沖縄と香港を結ぶGIX(グローバル・インターネット・エクスチェンジ)があるが、東京への回線は、アメリカを経由しており、通信時間の遅さやコスト高などが指摘されている。

 新たな回線を整備することで、災害などで一つの回線が使用できなくなっても、もう一つが残る可能性が高く、リスク低減も図れる。

 県は、今月中に公募を始め、7月には実施企業を決める方針。担当者は「遅くとも2016年4月までには運用を始めたい」としている。