那覇市松尾の国際通り沿いの映画館「國映館」跡地を、台湾の大手セメントメーカー、嘉新セメント(台北市)が購入したことが9日、分かった。購入金額は約12億円。現在は駐車場として利用されているが、関係者によると、同社は早ければ年内にもホテルや商業ビルなどの開発に着手するとみられる。(座安あきの)

台湾の企業が購入した旧國映館跡地。現在は駐車場として利用されている=9日、那覇市松尾

旧國映館跡地

2002年9月20日、閉館時の國映館

2002年9月20日、閉館時の國映館

台湾の企業が購入した旧國映館跡地。現在は駐車場として利用されている=9日、那覇市松尾 旧國映館跡地 2002年9月20日、閉館時の國映館 2002年9月20日、閉館時の國映館

 敷地面積は約1680平方メートル。所有権は映画館を運営していた國場組から、ファンド企業が資金を投じる東京の企業を経て2012年にパチンコ店を運営するサンシャインが取得していた。だが、同社が予定していた遊興事業が計画通りに進まず、今月に入って嘉新セメントへの売却契約が成立、子会社が所有している。

 関係者によると、嘉新セメントは隣接する沖縄大和地所所有の同規模の土地取得にも関心を示している模様で、県内外の事業者と連携して大型の商業エリアとして開発を進める可能性もあるという。

 国際通り沿いの土地を海外企業が直接取得し、事業展開する事例は少ない。不動産関係者によると、国際線ターミナルの拡充やクルーズ船の積極誘致で、アジア客を中心に沖縄を訪れる海外からの観光客が増加する中、海外の有力企業による不動産投資の動きが活発化しているという。

 また、カジノ合法化に向けた国の動きも絡み、沖縄を有望な投資先とみて進出する事例が増えてくる可能性があるとみている。

 同社ホームページなどによると、同社は中国・台湾の6大セメントメーカーの一つ。本業のセメント以外に、金融投資、貿易、建材販売など経営の多角化を進めている。近年は海外での不動産開発に積極的で、今年に入ってから台湾のホテルチェーンと提携、イタリア・ローマでホテルの株式を取得した。年間の国際投資額は約200億円。