沖縄近海で操業中のマグロはえ縄漁船7隻で漁具被害が相次ぎ、米海軍の音響測定艦「インペカッブル」の関与が疑われている問題で、米海軍は10日までに沖縄防衛局を通じ、被害漁船が所属する沖縄県近海鮪(まぐろ)漁業協同組合(我如古清組合長)の照会に文書で回答した。現場が領海外のため日米地位協定で定められた補償の対象とならないことや、海軍法務当局を通して米政府に被害を訴えることができることなどを記しているが、事実関係には触れず、謝罪の文言もなかった。

 米海軍は沖縄タイムスの取材に対し、「日本の漁業者が沖縄南西の領海外で操業中、米海軍のインペカッブルにより漁具に被害を受けたと訴えていることを認識している」と電子メールで回答したが、艦船の関与には触れなかった。

 さらに領海外で起きたことで、日米地位協定の適用外と主張。米海軍の艦船を原因として負傷したり、物的損害を受けたりしたと疑う場合は米海軍の法務当局を通して、米政府を相手に訴えを起こすことができ、米国内の法律や規定に基づき裁定されると説明した。

 また、米海軍として、漁業者が損害賠償を求める場合の詳細な情報を防衛省に提供したことは明かしたが、現場海域での運航の有無など、事実関係については一切答えなかった。

 一方、漁協などからの訴えを受けた沖縄防衛局も在日米軍に照会しているが、10日までに米軍からの回答はなく、はえ縄が切断された日時に米海軍艦船が現場海域を運用していた実態があるかについてなど事実関係も明らかになっていない。

 県近海鮪漁協と県漁連、県水産課の担当者は3日、外務省沖縄事務所を訪れ、日米地位協定に基づく補償を求めたが、「地位協定の適用外で補償の対象ではない」と回答を受けた。

 同事務所は沖縄タイムスの取材に「米軍に事実確認しており、回答があれば、漁協などへ提供することはできる。ただ、排他的経済水域であっても領海の外であり、米軍艦船と特定された場合でも民事上の扱いになる」と語った。