キャンピングカー製造のトイファクトリーインターナショナル(TFI、うるま市・藤井昭文社長)が昨年開発した「医療回診車」が、トヨタ自動車のブランドで海外向けに販売されることが決まった。トヨタ自動車から海外向けの特殊車両架装を請け負う子会社のジェータックス(名古屋市、井戸明則社長)とTFI社が作業請負基本契約を締結。沖縄で製造した医療回診車が近く、アフリカを中心にトヨタディーラーを通じて販売される。

海外向けにトイファクトリー社製医療回診車の製造、販売で協業する(左から)ジェータックスの井戸社長、トイファクトリーの藤井社長、トヨタ自動車の浅野アフリカ部部長=12日、県庁駐車場

 TFI社は2012年度の県の「戦略的製品開発支援事業」の採択を受け、医療回診車の開発を進めてきた。発展途上国での需要を見込んだTFI社が、海外向けの車両製造をジェータックスに提案。トヨタ車にふさわしい品質や安全性の確保に改良を重ね、契約締結にこぎ着けた。

 12日、県庁で会見した藤井社長は「現地のニーズに即した付加価値の高い製品を製造していきたい。沖縄から世界に、モノづくり産業の新しいステージがスタートする」と意欲を語った。車両価格は1台当たり800万~1千万円。初年度はアフリカ向けに100台を目標に製造する。

 ジェータックス社は01年にトヨタ自動車の戦略子会社として分社。各国の実情や取引先の細かな需要に応じたトヨタ車の特装、架装ビジネスで海外向けに年間53万台を出荷している。

 医療回診車の取り扱いは今回が初めて。同社の井戸社長は「世界中のお客さんのニーズに応えるには、多くの特異性を持った企業との結び付きを強める必要があるとの思いで分社化した。トイファクトリーとの協業で創業の志が具現化できた」と強調。トヨタ自動車アフリカ部の浅野有部長は「一台でも多く販売し、アフリカの皆さんに喜んでいただきたい」と話した。

 医療回診車はトヨタのハイエースをベースに、ソーラーパネルを搭載。「日本製」という品質への信頼性に加え、世界各地にあるトヨタの整備拠点でアフターサービスにも対応でき、世界的な競争力は高いという。

 TFI社は08年にうるま市の国際物流拠点産業集積地域に岐阜のトイファクトリー沖縄工場として進出、12年7月に同工場を現地法人化した。キャンピングカーのほか、消防指揮車両などの特装車両の開発、製造を手掛ける。製品車両の一部部材を県内から調達、現在社員16人を雇用している。会見後、藤井社長らは仲井真弘多知事を訪れ、今後の事業展開を説明。知事にアフリカで販売される特殊車両を案内した。