【東京】自民党は12日、キャンプ瑞慶覧・西普天間住宅地区跡地に米海軍の医療データを活用した新薬の開発研究機関「沖縄ヘルスメディカルイノベーションセンター(OHMIC)」を創設する構想をまとめた。同地区に移設予定の琉球大医学部や沖縄科学技術大学院大学(OIST)との連携も想定、財政支援を含め国に国家戦略として取り組むよう提言している。

 主な事業目的は、(1)新薬の研究開発(2)医薬分野の国際的な人材育成(3)雇用、健康増進面での沖縄への貢献-の3点。

 構想では、米サンディエゴの海軍医学研究センターから提供を受けた医療データと国内のデータを合わせて解析し、日米の専門家で新薬を研究、開発する。データ集積から新薬開発までを「基盤」「展開」「発展」の3段階に分け、創設から10年目をめどに医薬品開発を目指すとしている。

 一方、課題として運営主体の決定や機密性の高いデータを取り扱う技術の確保、医薬業界や研究機関との連携のあり方などを挙げている。

 党では島尻安伊子参院議員を座長として沖縄振興調査会の下にワーキングチームを結成し構想を練ってきた。島尻氏はこの日、党本部で記者団に「医療の連携であり、軍事的な連携ではない。感染症や長寿の研究も行うことで県民にも寄与できる」と意義を述べた。

 同日、島尻氏から提言書を受け取った菅義偉官房長官は「政府としてできることをやる」と述べたという。党は構想を政府の骨太方針や成長戦略へ盛り込むよう要請する。

 また、県と宜野湾市は同地区で国際医療拠点の形成を目指しており、OHMIC構想も同時に進めることで、跡地利用の「先行モデル」としたい考え。

 そのためにも、返還前に環境調査を目的に基地内への立ち入りを認める「環境補足協定」の締結や、地主から要望のある土地取得制度の見直し、インダストリアルコリドー南側部分の早期返還も国に求めていく。