米軍普天間飛行場の代替施設をめぐる2005年の在日米軍再編協議で、在日米軍幹部が中間報告の直前に起案した新基地の建設計画に、ホーバークラフト型揚陸艇(LCAC)や高速輸送船(HSV)が運用できる軍港機能の整備の必要性を明記していたことが15日、沖縄タイムスが入手した米軍の内部文書で明らかになった。沖縄防衛局が昨年、県に提出した名護市辺野古の埋め立て申請書には、揚陸艇が出入りできる斜路を代替施設に設置する計画が示されており、米側の当初構想通りに軍港機能と一体化した施設整備が進んでいることが浮き彫りになった。

在日米軍幹部が副司令官に宛てた「北部統合計画」の一部。代替施設に揚陸艇(LCAC)などが出入りする「ランプ」を整備する必要性が赤線部に示されている

 本紙が入手した文書は、在日米軍幹部がラーセン在日米軍副司令官に宛てた「沖縄における米海兵隊の北部統合」。作成日は05年8月1日で、日米が代替施設の形状をキャンプ・シュワブ沿岸部の「L字案」で合意した中間報告の約3カ月前に当たる。

 同文書によると、米軍側は軍港機能では「シュワブでLCACとHSVが利用できるランプ(斜路)」の設置を求めている。水陸両用の揚陸艇が出入りするための斜路は、防衛局が埋め立て申請書の中の「理由書」に記載しており、米側の構想を裏付けている。

 HSVは米軍再編の中間報告で「航空輸送及び高速輸送船(HSV)の能力を含めた海上輸送を拡大」と記載され、日米の相互運用能力を強化する目的で導入が必要とされている。

 幹部は文書で「北部統合は日本政府の負担軽減要求に応えるためだ」とも指摘。「日本政府は統合に関わる施設の移転・新築・改築、インフラの改修・拡充の全ての費用を負担する必要がある」と強調している。

 同文書では、1999年に閣議決定された辺野古の沖合に代替施設を造る旧計画(従来案)にも触れ、県と名護市が条件とした15年使用期限は、米軍再編に伴い「取り消されるべきである」と指摘。実際に、2006年の米軍再編最終報告に伴い、使用期限は破棄された。