食事を楽しむのに「香り」は欠かせない要素の一つ。素材の味や調理師の腕に加え、食材の魅力を引き立たせる薬味の効果は大きい。その代表格がネギだろう

▼独特の強い香りが持ち味の沖縄在来の青ネギが先日、本部町で復活した。昔から地域に親しまれ、年中栽培できることから「ニンジュウビラ=年中ビラ(ネギ)」と呼ばれたが、生産農家の減少で存在が消えかけた

▼町は「もとぶ在来島ヤサイ復活プロジェクト」を掲げ、町内にわずか1、2坪ほど残ったネギをもとに大量生産。地元の野菜は息を吹き返し「もとぶ香(かおり)ネギ」として、特産品デビューを果たした

▼早速、沖縄そばに山盛りのネギをのせた新メニューも考案された。試食会では「かめばかむほど、ネギの味と香りが口に広がる」と大好評。2010年に「そばの町」宣言した同町は、広く普及させたいと意気盛んだ

▼強い紫外線を浴びた島野菜は、抗酸化作用が強く健康にもいい。「厳しい自然環境の中で淘汰(とうた)され、生き残った“シマーグヮー”には、パワーとエネルギーがある」と、プロジェクトに力を注ぐ平良武康副町長

▼地域の食材を地元で食す「地産地消」の大切さをあらためて実感する。目の前にありながら見過ごされてきた大切な食材は、きっと他にもあるはず。シマーグヮーの力を見直したい。(儀間多美子)