戦争の犠牲になった船は対馬丸だけではない-。太平洋戦争中の船舶犠牲者の遺族でつくる「戦時遭難船舶遺族会」が、天皇皇后両陛下が26、27日に学童疎開船「対馬丸」の慰霊に来県するのに合わせ、「他の船の犠牲者へも目を向けてほしい」と訴えている。(矢島大輔)

「慰霊の日」に向け、清掃に訪れた遺族らは海鳴りの像に手を合わせた=15日、那覇市の旭ヶ丘公園

 両陛下は27日、那覇市の旭ヶ丘公園にある慰霊碑「小桜の塔」を拝礼した後、対馬丸記念館を視察。対馬丸の生存者や遺族と懇談する。

 戦時遭難船舶遺族会によると、1482人が亡くなった対馬丸とは別に、県民が乗船して撃沈された船舶は25隻あり、犠牲者は2千人近くに上るという。

 遺族会は1987年6月23日、「小桜の塔」と同じ公園内に慰霊碑「海鳴りの像」を建立し、毎年慰霊祭を行っている。「湖南丸」で叔父を亡くした遺族会の大城敬人会長代行(73)は「当時の政府決定で疎開させられた対馬丸と違い、他の船舶の犠牲者の遺族補償は全くない。同じ戦争の犠牲者なのだから、せめて来てほしい」と話す。遺族会は20日、両陛下の「海鳴りの像」への訪問を要請する文書を宮内庁長官と内閣総理大臣ら宛てに郵送し、県庁で記者会見を開く。