【久高島=南城】久高小中学校の全児童・生徒35人が14日、島に伝わる伝統の漁法を学び、地域を知ろうと「追い込み漁」を久高島東海岸のピザ浜で体験した。10回を超える恒例の体験学習で、遠浅の海で600メートル超の網を使い、例年の倍以上という120キロ以上を水揚げ。大人も「おーっ」と声を上げ、大漁に大喜びだった。

久高島伝統の追い込み漁で海面をたたき、魚を追い込む久高小中の児童・生徒=14日、南城市久高島

 島のウミンチュ(漁師)が漁を指導し、女性らが昼食を用意するなど島ぐるみで協力している。子どもたちは小雨が降る中、網に沿って円形になり、1メートルほどの間隔を置いて音をたてながら前進、魚を追い詰め、網を絞り込んだ。

 その後、漁師が数メートルほどに網を狭め、アイゴやブダイ、アバサーなどを捕った。子どもたちは久高漁港で魚のうろこ取り、保護者も魚をさばいて手伝った。

 久高島離島振興総合センターの昼食で、魚汁やおにぎりを頬張った中学3年の猪野屋(いのや)秀(しゅう)君は「久高の自然の恵み、めっちゃおいしい。いい思い出になった」と満足。

 漁労長を務めた並里和博さん(61)は、「追い込み漁を覚えておけば、島に帰ってきても食糧を確保でき、海の仕事があれば生活もできる。生きる上での基礎を覚えてほしい」と力を込める。

 久高小中の久貝悦子校長は地域の協力の大きさを実感、「子供たちのいい思い出。伝統が受け継がれ、島にとっても良いこと」という。

 岐阜県の佐藤美絵さん(38)は山村留学で島に来た息子で中2の夢郎君の成長に目を見張り、「息子がとても生き生きしている。島の皆さんに支えてもらえ、安心した」、夢郎君は「みんなで団結して漁をして楽しかった。母に元気な姿を見せられて、良かったと思う」とはにかんだ。