天候不良のため宮古空港に緊急着陸したHH60救難ヘリに搭乗していた米兵22人が5月18日、検疫を受けずに外出し、宮古島市内のホテルで1泊していたことが分かった。1996年の日米合意で定められた検疫所への通報義務を米軍が怠ったため、那覇検疫所が滞在を把握できなかった。

 翌日の報道を通じて事態を把握した那覇検疫所は、米兵と接触したホテル従業員など29人を特定し、健康診断などの対応を取った。19日現在、感染症などの被害は確認されていない。

 96年の日米合意は米軍関係者であっても、提供区域外(一般空港)から入国する場合、日本の検疫を受けるよう規定。さらにその場合は、米軍側が検疫に先立ち、所管の検疫所に通報するよう定めている。

 ヘリはフィリピンから嘉手納基地へ向かう途中、天候不良で5月18日夕方に宮古空港へ緊急着陸。事前連絡を受けた空港管理者の県は、燃料補給が終わり次第、日帰りで離陸するよう調整しており、宿泊は「想定外だった」という。実際に離陸したのは同19日午前だった。

 宮古空港は常設のCIQ施設(出入国審査関連施設)がなく、必要に応じて那覇検疫所の職員が出向き、口頭での感染確認など検疫業務を行う。那覇検疫所は「米軍側との連絡網はなく、動きがキャッチしづらい」と説明した。

 県空港課も「非常にまれな事例。今後は米軍が通報義務を怠った場合を想定し、那覇検疫所と連絡体制を強化したい」と話した。