国の文化審議会(宮田亮平会長)は20日、与那国町のティンダバナを新たに国の名勝に指定するよう下村博文文部科学相に答申した。すでに名勝に指定されている宮古島市の東平安名崎と、名勝および天然記念物に指定されている同市の八重干瀬の2件も範囲を広げて追加指定するよう答申した。

祖納集落の背後に屏風のようにそびえ立つティンダバナ=与那国町(町教委提供)

 官報に告示され正式指定される。県内の国名勝は、今回を含め13件となる。

 ティンダバナは、サンゴの隆起や浸食によって形成された標高85メートルの断崖絶壁の台地で、町祖納の南西部に位置する天然の展望台。与那国島の伝承や儀礼にまつわる岩石や洞穴があり、豊富な地下水がわき出る。15世紀末期の女酋長(しゅうちょう)サンアイ・イソバの居住地だったと言い伝えられる。

 東平安名崎は、宮古島の東端に細く突き出た岬で、今回は岬突端の灯台が追加指定された。八重干瀬は日本最大のサンゴ礁群で、今回はすでに指定されている範囲の東方にあるフデ岩などが追加指定された。

 ティンダバナの名勝指定を受け、与那国町の外間守吉町長は「子どもたちに『ティンダバナのように大きく育て』と声を掛ける習慣が昔からあり、与那国の信仰の地。私も子どものころに遊んだ思い出があり、名勝指定は出身者にとっては涙が出るほどうれしい」と喜んだ。

■「軍艦島」は史跡

 文化審議会はこのほか、端島(はしま)(通称・軍艦島)や高島を含む幕末から昭和期の炭坑跡で構成する「高島炭鉱跡」(長崎市)など9件を史跡に指定するよう、答申した。

 端島などは「明治日本の産業革命遺産」の一部として、政府が2015年の世界文化遺産登録を目指しており、保全の枠組みが整う。