民意を代表する議場の真ん中で響いた「お前が結婚しろ」「産めないのか」のヤジはあまりに醜い。インターネットのサイトには、21日夕方までに6万5千人を超える抗議署名が集まり、怒りが広がっている▼東京都議会の一般質問。塩村文夏(あやか)都議が、晩婚晩産が進み、子育てが最もしにくい場所だといわれる東京の問題を取り上げ、女性へのサポートを求めた質問の最中に、暴言が飛んだ▼これは単なるヤジではない。性差別意識に基づくセクシュアルハラスメントである。結婚するしない、子どもを産む産まないといったプライベートな問題を揶揄(やゆ)するのは個人攻撃にあたる▼音声が確認できる動画がアップされている。仲間内では誰だか分かっているのだろう。発言者が特定できないからと、うやむやにしようとする議会も情けない▼働く女性の半分以上が非正規雇用で、男女の賃金格差は依然として大きい。日本の男性の家事時間は先進国の中で一番短く、待機児童の解消は進まない。先が見えにくいから子どもを産めないのであって、解決策を示すのが議員の仕事ではないか▼議場では暴言に同調する他の議員の笑い声ももれていた。こうした価値観をもった人たちに、少子化対策も女性の活用も任せられない。議会は自浄作用を発揮すべし。発言者は名乗り出て謝罪すべし。(森田美奈子)